単価・市場動向

SESエンジニアの単価相場【2026年版】17万件の実データで見る分布

#単価#相場#実データ
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約7分
執筆
Qasica 編集部
目次(8節)
  1. 01結論|中央値は68万円
  2. 02集計の前提とデータの出どころ
  3. 03全体の分布
  4. 04経験年数別の単価
  5. 05地域別の単価
  6. 06公的統計と突き合わせる
  7. 07この数字の使い方
  8. 08この数字で分からないこと

SESエンジニアの単価が「だいたいいくらなのか」は、調べても書き手の体感や 数十件のアンケートに基づくものがほとんどです。この記事では、実際に流通している 要員情報 170,621 件 を集計し、単価の分布を出しました。

結論|中央値は68万円

月額単価の中央値は 68万円。上下 25% を切り落とした中心の半分は56万〜80万円 に収まります。

全体の単価パーセンタイル
指標金額意味
第1四分位(25%)56万円4人に1人はこれ以下
中央値(50%)68万円ちょうど真ん中
第3四分位(75%)80万円4人に1人はこれ以上
上位10%95万円10人に1人はこれ以上

集計の前提とデータの出どころ

本調査は、SES 事業者間で実際にやり取りされている要員情報を対象としています。 以下の条件で集計しました。

  • 対象:削除済みを除く要員レコードのうち、月額単価が 20万〜200万円の範囲にあるもの
  • 件数:170,621 件
  • 単価の取り方:下限単価があればそれを、なければ上限単価を採用
  • 集計日:2026年9月19日

外れ値を落とすため 20万円未満と200万円超は除外しています。除外された件数は 全体の 1% 未満です。アンケートではなく、日々の営業のなかで実際にやり取りされた 要員情報が母集団である点が、他の相場情報との違いです。

全体の分布

最も多いのは60万円台で、全体の23%を占めます。50万〜80万円の3つの帯で全体の60% です。

10万円刻みの単価分布
単価帯件数割合
20万円台3370.2%
30万円台2,7261.6%
40万円台16,1399.5%
50万円台28,52016.7%
60万円台39,22023.0%
70万円台34,36620.1%
80万円台21,61112.7%
90万円台11,6756.8%
100万円台5,6713.3%
110万円台4,1062.4%
120万円以上6,2503.7%
n = 170,621。Qasica 調査(2026年9月19日時点)。

経験年数別の単価

経験年数が分かる 140,226 件で見ると、単価は経験年数にきれいに連動します。 ただし伸びは一定ではありません。

経験年数別の単価
経験年数件数25%中央値75%
1年未満1,35735万42万58万
1〜3年15,40645万50万60万
3〜5年21,15550万60万66万
5〜10年39,86660万68万78万
10年以上62,44265万75万90万

中央値の伸びは 1〜3年から3〜5年で +10万円、3〜5年から5〜10年で +8万円、 5〜10年から10年以上では +7万円と、だんだん鈍ります。一方で第3四分位は 66万 → 78万 → 90万と開き続けます。つまり経験年数が増えるほど、同じ年数でも 単価の差が大きくなるということです。10年以上の層は、中央値付近に留まる人と 90万円を超える人に分かれます。

地域別の単価

関東が全体の 77% を占めるため、全体の中央値は関東の相場にほぼ引きずられます。

地域別の単価中央値
地域件数中央値
関東130,99470万円
関西18,60763万円
九州6,60165万円
中部6,07065万円
北海道2,09470万円
東北1,34460万円
中国1,22655.5万円
四国57365万円

関東と関西で 7万円の差があります。北海道が関東と並んでいますが、件数が 2,094 件と 少なく、リモート前提の案件が混ざっている可能性があります。件数が 1,000 件台の 地域は参考値として見てください。

公的統計と突き合わせる

この集計は1つの民間データベースによるものなので、水準が妥当かどうかを 公的統計と並べて確認します。性質の違う数字なので、一致するかどうかではなく、 順序と桁が矛盾しないかを見ます。

公的統計との比較
指標金額(月額換算)出典
本調査の提示単価(中央値)68.0万円本記事
派遣料金の平均(8時間換算 26,257円 × 20日)52.5万円厚生労働省・令和6年度
情報通信業の賃金(所定内給与額)40.6万円厚生労働省・令和7年
派遣労働者の賃金の平均(8時間換算 16,735円 × 20日)33.5万円厚生労働省・令和6年度

単価(68.0万円) > 派遣料金(52.5万円) > 賃金(40.6万円 / 33.5万円)という 並びになります。取引価格が本人の給与を上回るのは、諸経費と利益が乗るためで、 この順序自体は想定どおりです。

本調査の単価が派遣料金の平均より 15万円ほど高いのは、母集団が違うためと考えられます。厚労省の数字は製造・事務を含む 全業種の派遣の平均(情報処理・通信技術者は派遣労働者全体の 9.8%)で、 こちらは IT の準委任がほとんどです。 厚労省の集計には準委任契約は含まれないので、そもそも同じものを数えていません。

派遣料金・賃金の月額換算は 20営業日として単純計算したものです(厚労省は 8時間あたりの金額で公表しています)。派遣料金は消費税を含む額です。 月額換算は本記事の計算であり、厚生労働省が公表している数字ではありません。

この数字の使い方

相場表は「平均いくらか」より、目の前の1件が相場のどこにいるかを 見るために使うほうが実用的です。

  • 要員を提案するとき:経験年数の行を見て、提示単価が25%〜75%の どこに入るかを確認する。第3四分位を超えるなら、超える理由を提案書に書く必要があります
  • 案件の単価を評価するとき:要求スキルに対して提示単価が第1四分位を 下回るなら、応募が集まりにくい水準です
  • 単価交渉のとき:10年以上の層は25%と75%で25万円開きます。 「経験10年だからいくら」ではなく、何ができるかで決まる幅のほうが大きい、というのが データから言えることです

この数字で分からないこと

誠実に書いておくと、この集計には次の限界があります。

  • 商流の深さを考慮していません。同じ人でも、元請けに近いほど単価は上がります。 ここでの単価は、情報が流通した時点での提示額です
  • 職種・技術スタック別に割っていません。インフラと Web アプリ開発では 分布が違うはずですが、今回は経験年数と地域のみで集計しました
  • 成約単価ではありません。提示されている単価であり、実際に契約に 至った金額とは異なります
  • 地域が未記入のレコードは地域別集計から外れています

職種別の集計は次回の更新で追加する予定です。更新した場合はこの記事の更新日を変えます。

参考にした公的統計・法令

本文の数字のうち、公的統計と比較できるものは下記を参照しています。 リンク先はいずれも発行元の原典です。

  1. 厚生労働省「令和6年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」2026年3月31日
    • 派遣料金(8時間換算)の平均 26,257円(前年度比 +3.6%)
    • 派遣労働者の賃金(8時間換算)の平均 16,735円(+3.4%)
    • 年間売上高 9兆9,005億円 / 派遣労働者 約220万人

    全業種の派遣が対象。SES に多い準委任契約は含まれない

  2. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査(産業別にみた賃金)」2026年3月24日
    • 情報通信業の賃金 40.6万円(男女計・年齢計、前年比 +3.8%)
    • 同 平均年齢 40.2歳 / 平均勤続 12.3年

    所定内給与額。本人の給与であり、取引上の単価ではない

  3. 経済産業省「IT人材需給に関する調査(概要)」2019年4月
    • 2030年のIT人材の需給ギャップ 中位45万人(高位79万人・低位16万人)
    • 2018年時点のギャップ 22万人

    2019年時点の推計。「2030年に79万人不足」はこの高位シナリオの数字

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