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協力会社の開拓と条件の詰め方|案件の92.8%は「貴社まで」

#協力会社#商流#実データ
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執筆
Qasica 編集部

協力会社を増やしたのに提案が増えない、という相談はよくあります。 原因は開拓の努力不足ではなく、案件側が商流を絞っていることにあります。 案件と要員の両側を数えると、その構造がはっきり出てきます。

結論|社数ではなく「商流が通る社数」

  • 商流条件が書かれている案件の 92.8% は「貴社まで」=自社社員しか出せない
  • 一方で要員名簿の 26.3% は「1社先」=協力会社の社員
  • つまり名簿の4分の1は、大半の案件に出せない要員で埋まっている

協力会社の開拓が無意味という話ではありません。開拓の目的を「要員を増やすこと」から「商流が通る案件を増やすこと」に置き換える必要がある、という話です。

案件側の商流条件を数える

案件 195,223 件のうち、商流条件が読み取れたのは 147,259 件(75.4%)でした。 その内訳です。

商流条件件数割合意味
貴社まで136,70892.8%自社社員のみ提案可
その他3,5202.4%個別確認が必要
1社先まで2,5511.7%協力会社の社員まで可
2社先まで1980.1%2段先まで可

集計日 2026年9月22日/n = 147,259(削除済みを除く全案件 195,223 件のうち商流条件が読み取れたもの)。 旧バージョンの解析で付与された「直」という値が 4,276 件残っていますが、 現在の解析では出力しない値のため上表から除いています。この数字で分からないこと:商流条件が書かれていない 47,964 件(24.6%)が 実際にはどの条件だったか。問い合わせれば「貴社まで」と答える案件が多いと考えられますが、 データ上は確認できません。

注目すべきは件数の絶対値です。1社先まで可の案件は 2,551 件、2社先までは 198 件。 合計しても 2,749 件で、商流条件つき案件の 1.9% にすぎません。

要員側の所属を数える

所属件数割合
弊社(自社社員)113,10964.7%
1社先(協力会社の社員)45,96626.3%
未記載8,0934.6%
グループ会社7,1824.1%

4分の1強が「1社先」です。協力会社から要員情報を受け取り、 自社を経由して提案する形になっている要員ということになります。

そして単価にも差が出ます。経験年数を 5〜10年に揃えると、 自社社員の中央値が 65万円、1社先が 70万円、グループ会社が 55万円でした。 1社先が高いのは実力差ではなくマージンが乗っているからで、 その分だけ価格競争で不利になります (多重下請け構造の実データで詳しく扱っています)。

この2つを掛けると何が起きるか

案件の 92.8% は自社社員しか受け付けない。 しかし名簿の 26.3% は協力会社の社員である。提案母数の4分の1が、最初から使えない状態で積まれている。

さらに商流以外の条件でも落ちます。要員名簿を段階的に絞った実測値がこちらです。 ここでは「関東・貴社まで・常駐可・単価70万以下」という、ごく平均的な案件1件を想定しています。

条件残り件数全体比
全要員174,776100%
+ 再送の重複を除く36,18120.7%
+ 地域が関東27,00715.5%
+ 所属が自社社員15,3348.8%
+ フルリモート希望でない12,5197.2%
+ 単価70万円以下7,2774.2%

集計日 2026年9月22日/n = 174,776(削除済みを除く全要員)。 「再送の重複」は、同一送信者から30日以内にほぼ同一本文で再送されたと判定されたレコードです。この数字で分からないこと:スキル一致(技術要件は含めていません。 含めればさらに減ります)、稼働開始時期の一致、複数テナントにまたがる名簿の重なり。

所属の条件だけで 15.5% → 8.8%、約4割が消えます。 これが「協力会社を増やしても提案が増えない」の正体です。

開拓の順番

上の数字から逆算すると、開拓の優先順位はこうなります。

  1. 案件を出してくれる会社(商流の上流)を先に増やす — 案件が増えれば、いま出せていない自社社員が当たる先が増えます。 要員を増やしても、当てる案件がなければ意味がありません
  2. 「1社先まで可」の案件を持っている会社を特定する — 全体では 1.9% しかない条件です。この条件で出せる相手は貴重なので、 見つけたら関係を厚くする価値があります
  3. 自社社員を出せる相手を増やす — 単価面でも有利(同条件で5万円安く出せる)で、商流条件でも弾かれません
  4. 協力会社からの要員受け入れは最後 — 名簿は増えますが、商流条件で大半が弾かれます。 受け入れるなら「1社先まで可の案件を持っている」ことを先に確認してから

条件の詰め方チェックリスト

新しい取引先と最初に詰めておく項目を、データ上よく欠ける順に並べました。案件メールで欠けやすい項目=後で揉める項目です。

契約の前に

  • 契約形態 — 準委任か派遣か。案件メールで書かれているのは 57.4% しかなく、 最も欠けやすい項目です。派遣を含むなら労働者派遣事業の許可の有無を確認 (準委任契約とは
  • 商流条件 — 自社社員のみか、1社先まで許容されるか。 これが「貴社まで」なら、協力会社の要員を出す話は最初から成り立ちません (商流とは
  • 指揮命令の線引き — 準委任なら指示は自社の管理者から。 客先が直接指示する運用になっていると偽装請負と判断されるおそれがあります
  • 支払いサイト — 月末締め翌月末か、翌々月末か。運転資金に直結します
  • 引き抜き・直接取引の禁止条項 — 期間と範囲。過度に広いと自社の営業が制約されます

要員を受け入れる前に

  • 所属の実態 — 相手の社員か、相手にとっての1社先か。後者なら自社から見て2段になります
  • 単価の下限 — マージンを乗せた提示になるため、こちらの提案単価が上がります
  • 稼働開始日と、他社への同時提案の可否 — 同時提案されている要員は決まりません
  • スキルシートの粒度 — 役割名が書かれているか。役割の記載の有無だけで単価が最大30万円変わります(工程と役割で単価はどう変わるか

よくある質問

協力会社を増やせば提案できる案件は増えますか?

増えるのは提案できる「要員」であって、提案できる「案件」ではありません。商流条件が書かれている案件の92.8%は「貴社まで」、つまり自社社員しか受け付けていないためです。協力会社の要員を出せる案件は、商流条件つきの案件のうち1.9%(1社先まで+2社先まで=2,749件)にとどまります。

最初に取り交わす契約は何が要りますか?

基本契約(業務委託基本契約)とNDA、そして個別契約の様式です。SESは準委任契約が主流で、案件データでは契約形態が書かれている案件の83.9%が準委任、15.7%が派遣でした。派遣を含む取引をするなら労働者派遣事業の許可の有無を先に確認する必要があります。

要員情報をもらっても提案できないことが多いのはなぜですか?

商流条件のほかに、地域・勤務形態・単価の3つで落ちます。実データで要員名簿を段階的に絞ると、ある1案件の条件(関東・貴社まで・常駐可・70万以下)を満たすのは全体の4.2%でした。開拓時に「どの条件の要員が多いか」を確認しておかないと、名簿だけ増えて提案が増えません。

商流で弾かれる組み合わせを先に落とす

Qasica は案件メールから商流条件を読み取り、手元の要員の所属と突き合わせて、 そもそも提案できない組み合わせを候補から外します。 名簿が増えても、確認に使う時間が比例して増えない状態にするのが狙いです。

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