仕組みと運用

案件・要員データの取り扱い|どこに保存され、どこへ出ていくのか

#プロダクト#セキュリティ
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執筆
Qasica 編集部

SES の案件情報は取引先の商売の中身で、要員情報は個人情報です。 ツールに入れる前に「どこに保存されて、どこへ出ていくのか」を確認するのは当然のことです。 この記事では現在の実装をそのまま書きます。

なぜこの記事を書くか

「セキュリティは万全です」と書かれた資料は判断材料になりません。 必要なのはデータがどこを通るかの具体です。 ここを曖昧にしたまま導入すると、取引先から聞かれたときに答えられません。

どこに保存されるか

データ保存先
案件・要員の構造化データAWS 東京リージョンのマネージドPostgreSQL
メール本文同上
添付ファイル(スキルシート等)オブジェクトストレージ
受信したメールの原本オブジェクトストレージ(取り込み成功後に削除)

通信はすべて HTTPS で、HSTS を有効にしています(`max-age=31536000; includeSubDomains`)。

他社に見えない仕組み

複数の会社が同じシステムを使うので、分離が最も重要です。 アプリケーションのコードで絞るだけでなく、データベース側で行単位のアクセス制御をかけています。

  • 自社の文脈を設定していないクエリは、結果が空になる
  • 現在 18 のテーブルに設定済み
  • アプリ側で絞り忘れても、データベースが最後の砦として効く

「コードで絞っているから大丈夫」という作りだと、 新しい画面を追加したときに絞り忘れが起きます。 そこを構造的に防ぐための設計です。

外部に出る経路と、出ない経路

ここがいちばん知りたいところだと思うので、分けて書きます。

処理どこで実行されるか外部にテキストが出るか
メール本文の解析(案件・要員の抽出)自社運用のGPUサーバー出ない
スキルシートの読み取り自社運用のGPUサーバー出ない
案件・要員の分類自社運用のGPUサーバー出ない
類似検索用の埋め込みベクトル生成Google Gemini API出る
一部の要約生成Google Gemini API出る

解析の中心は自社のGPUで動かしています。案件本文やスキルシートの中身を外部のAPIに投げる構成にはしていません。 モデルは自社で用意したもので、SES のデータで追加学習しています。

解析に使うLLMの扱い

ただしすべてが自社内で完結しているわけではありません。 類似検索のための埋め込みベクトル生成と、一部の要約生成には Google の Gemini API を使っており、ここはテキストが外部に出ます。

この利用は有料ティアで行っています。 Gemini API の規約では、有料ティアについて 「Google はプロンプトや応答を製品の改善に使用しない」と明記されています。 無料枠では学習および人によるレビューの対象になるため、ここは明確に分けています。

出典:Gemini API Additional Terms of Service(2026年9月時点)。 有料ティアの判定は API の応答に含まれるサービスティア表示で確認しています。

導入前に確認すべきこと

これは Qasica に限らず、どのツールを検討するときも同じです。

  1. データの保存先(国・リージョン)
  2. 他社との分離がどこで担保されているか — アプリ側だけか、DB側もか
  3. 外部APIにテキストが出るか — 出るなら、どの処理で、どこへ
  4. その外部APIの利用が有料ティアか — 無料枠は学習対象になる場合がある
  5. 添付ファイルの保存期間と削除の扱い
  6. 監査ログの有無 — 誰が何を見たかを追えるか

4 番は見落とされがちです。同じ API でも、無料枠と有料ティアで規約上の扱いが変わります。

よくある質問

取引先の案件情報が他社に見えることはありませんか?

データベース側で行単位のアクセス制御をかけており、自社の文脈でしか自社のデータを読めない構成にしています。18のテーブルに設定してあり、文脈を設定しないクエリは結果が空になります。

要員の個人情報は外部のAIに送られますか?

メール本文とスキルシートの解析は、自社で運用しているGPUサーバー上のモデルで行っています。外部のAPIには送っていません。一方、類似検索用の埋め込みベクトルと一部の要約生成にはGoogleのGemini APIを使っており、ここはテキストが外部に出ます。有料ティアで利用しており、Googleの規約上、プロンプトと応答はモデルの学習には使われません。

退会したらデータはどうなりますか?

ご契約終了時のデータの扱いは契約条件によります。個別にご確認ください。この記事では現在の実装の話をしています。

この記事について

記載は 2026 年 9 月時点の実装です。変更があればこの記事を更新します。 契約条件やより詳しい情報が必要な場合は個別にご案内します。

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