単価・市場動向

SESエンジニアの経験年数の分布|単価が伸びるのは8年目まで

#要員#単価#実データ
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執筆
Qasica 編集部

「経験5年」と書かれた要員が、市場のどのあたりにいるのか。 要員14.3万件の経験年数を集計したところ、単価が経験年数に反応するのは8年目までという、 分かりやすい折れ線が出ました。

結論|中央値8年、単価は8年で頭打ち

  • 経験年数の記載がある要員は 81.8%(142,977件)。中央値8年
  • 最も厚いのは 5〜7年の20.3%。3〜10年で50.3%を占める
  • 希望単価中央値は 1〜2年 50万円 → 8〜10年 73万円まで 23万円上がる
  • そこから 21年以上の 75万円まで、13年かけて2万円しか上がらない

経験年数の分布

経験年数要員数割合分布
1年未満1,3861%
1〜2年15,67511%
3〜4年21,51215%
5〜7年29,06020.3%
8〜10年21,36914.9%
11〜15年15,02710.5%
16〜20年16,93711.8%
21年以上21,32814.9%

集計日 2026年9月22日/要員 174,776 件(status が削除済みのものを除く)のうち、 経験年数が抽出できた 142,977 件(81.8%)が対象。45年を超える値 683 件(0.5%)は除外しました(生年や合計年月の誤抽出とみられるため)。表の割合は除外前の 142,977 件を分母にしています。この数字で分からないこと:同一人物の重複 (届いた要員メール単位のレコードなので、同じ人が複数社から紹介されていれば複数回数えられます。 要員メールの79.3%はレコード単位で再送です)、経験年数の定義 (IT経験なのか社会人経験なのかは本文からは区別できません)。

3〜10年が 50.3% で、ここが市場の主戦場です。 一方で 21年以上も 14.9%(21,328件)あり、 分布は「若手が多いピラミッド」ではなく、5〜7年の山と、20年超の厚い裾という二つの塊になっています。

「10年」「20年」に山ができる

1年刻みで数えると、丸めの癖がはっきり出ます。

経験年数件数
10年8,707
20年8,685
5年7,499
3年6,542
6年6,134
30年4,338
9年2,604

10年が 8,707 件なのに、9年は 2,604 件。20年 8,685 件、30年 4,338 件。 切りのいい数字に3倍前後の山ができています。

つまり「経験10年」と書かれた要員の少なくない部分は、実際には8年や12年です。1年単位で足切りをかけると、丸めた人だけが残ることになります。 「5年以上」のような条件は、実質「5年前後以上」として扱うのが実態に合っています。

単価が伸びるのは8年目まで

経験年数件数下位25%中央値上位25%
1〜2年15,18445万円50万円60万円
3〜4年20,86750万円60万円66万円
5〜7年28,25758万円65万円75万円
8〜10年20,85865万円73万円85万円
11〜15年14,26560万円72万円85万円
16〜20年16,40565万円75万円90万円
21年以上20,42965万円75万円90万円

要員側の下限単価(希望単価として書かれることが多い値)が 20〜200万円の範囲にあるものだけで集計しました。この数字で分からないこと:成約単価 (これは希望・提示の段階の数字で、実際にいくらで決まったかは含みません)、 スキル構成の影響(同じ経験年数でも技術によって単価は変わります。 技術別の差は別記事にあります)。

1〜2年 50万円、3〜4年 60万円、5〜7年 65万円、8〜10年 73万円。 ここまでは順調に上がりますが、11〜15年で72万円と一度下がり、 16年以降は75万円で止まります

注目すべきは上位25%のほうです。8〜10年で85万円、16年以降で90万円。中央値は動かないのに、上位層だけは伸びている。 経験年数が長い層は「単価が高い人」と「年数だけ長い人」に二分されていて、 平均すると動かない、という構造です。

営業の立場で言えば、8年を超えた要員を「ベテランだから高く」では売れません。 役割(PM/PL)や工程(上流)で差をつける必要があります (工程と役割で単価はどう変わるかに、 役割で30万円の差がつくデータがあります)。

年齢との関係

経験年数件数年齢中央値
1〜2年15,30827
3〜4年21,02428
5〜7年28,75630
8〜10年21,24734
11〜15年14,93139
16〜20年16,83747
21年以上21,03153

1〜2年で27歳、3〜4年で28歳、5〜7年で30歳。若手層では年齢と経験年数がずれています。 22歳で就職していれば経験3〜4年は25〜26歳のはずですが、中央値は28歳。 他業種からの転身がこの層に入っていると読めます。

8〜10年で34歳、11〜15年で39歳、16〜20年で47歳、21年以上で53歳。 8年を超えると年齢と経験年数がほぼ連動します。

ベテランほど自社社員

経験年数件数自社所属の割合
1〜2年15,35665.3%
3〜4年20,93156.2%
5〜7年28,02763.7%
8〜10年19,94963.4%
11〜15年14,36970.1%
16〜20年15,89675.9%
21年以上20,16178.8%

所属が書かれている要員のうち、送信元から見た「弊社(自社社員)」の割合です。21年以上は 78.8% が自社社員なのに対し、3〜4年は 56.2%。 若手ほど協力会社を経由して流れてきています。

案件側の商流条件は 92.8% が「貴社まで」なので、若手を提案しようとすると商流で弾かれる確率が高いという 非対称がここに現れます (協力会社の開拓と条件の詰め方)。

この数字の使い方

1. 「5年以上」は市場の約6割に当たる条件

5年以上は 103,721 件、経験年数の記載がある要員の 72.5%。足切り条件としてはほとんど効きません。 絞りたいなら技術か役割で絞るべきです。

2. 8年の壁を単価交渉の材料にする

8〜10年で73万円、21年以上で75万円。ベテランの要員に「経験年数」で単価をつけると、市場の中央値に張り付きます。上位25%は90万円まで伸びているので、年数ではない根拠を出す必要があります。

3. 丸めを前提に検索条件を組む

10年・20年・30年に山があるので、「11年以上」で検索すると10年と書いた人が全部落ちます。 検索条件は5年刻みが実態に合っています。

よくある質問

経験年数が長いほど単価は上がりますか?

8年目までは上がります。1〜2年で50万円、3〜4年で60万円、5〜7年で65万円、8〜10年で73万円。ここまでで23万円動きます。ところが11〜15年は72万円、16〜20年と21年以上はともに75万円で、8〜10年からの差は2万円しかありません。経験年数そのものは、8年を超えると単価の説明力をほとんど失います。

未経験・1年未満の要員はどれくらい流通していますか?

1年未満は1,386件で、経験年数の記載がある要員の1.0%です。SES の要員情報として流通している層は実質的に1年以上であり、未経験者の紹介はこのデータにはほとんど乗ってきません。

経験年数はどこまで信用できますか?

自己申告の数字がメールやスキルシートに書かれ、それを抽出したものです。10年・20年・30年に不自然な山ができており、切りのいい数字への丸めがはっきり出ています。また45年を超える値が683件あり、これは生年と混同した抽出ミスの可能性が高いため集計から除外しました。年数は目安として扱い、実際の判断は職務経歴の中身で行うべき数字です。

要員の経験年数を揃える

Qasica は要員メールとスキルシートから経験年数・単価・所属を自動で抜き出し、 検索できる形にします。「5年前後以上でJavaの上流経験あり」のような、 年数だけに頼らない絞り込みができます。

関連記事:SESエンジニアの単価相場 / 工程と役割で単価はどう変わるか / 協力会社の開拓と条件の詰め方

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