単価・市場動向

外国籍可の案件はどれくらいあるか|明記されたうちの10.1%、単価は5万円高い

#案件#条件#実データ
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執筆
Qasica 編集部

外国籍の要員を抱えている会社にとって、「出せる案件がどれくらいあるのか」は 営業計画そのものです。案件19.5万件の国籍条件を集計しました。 結論から言うと、条件が書かれていない案件が3割あることが、 この話の一番の要点でした。

結論|明記されたうち10.1%が「可」

  • 国籍条件が明記されているのは 70.1%(136,873件)
  • そのうち「外国籍可」は 10.1%(13,868件)。残り89.9%は「日本国籍のみ」
  • 「可」の単価中央値は 75万円、「不可」は70万円
  • フルリモート案件では「可」が 12.0% に上がる
  • 要員側で外国籍と判定されるのは 3.7%

3割の案件は国籍条件を書いていない

国籍条件件数全体に対する割合
外国籍可(国籍不問を含む)13,8687.1%
外国籍不可(日本国籍のみ)123,00563%
記載なし58,35029.9%

集計日 2026年9月22日/案件 195,223 件(status が削除済みのものを除く)。 「外国籍可」は本文に「外国籍可」「外国人可」「国籍不問」などが明記されたもの、 「不可」は「日本人のみ」「日本国籍のみ」などが明記されたものです。 どちらも書かれていなければ「記載なし」になります。この数字で分からないこと:記載なし 58,350 件の実際の可否 (確認すれば通るものと、言うまでもなく不可のものが混ざっています)、 再送の除外(同じ案件が複数回数えられています)、 在留資格や日本語レベルの条件(国籍とは別に課されることがありますが、この項目には入りません)。

明記された 136,873 件のうち「可」は 10.1%。 10件に1件です。逆に言えば、書いてある案件の9割は最初から日本国籍のみ。

ただし全体の 29.9% は何も書いていません。 この層は「不可と書くまでもない」ものと「聞かれれば可」のものが混ざっているはずで、 どちらに転ぶかで外国籍要員の提案可能な母数は大きく変わります。 条件の欠けやすさは国籍に限った話ではなく、 契約形態は 57.4%、商流は 75.4% しか書かれていません (案件メールの読み方)。

「可」の案件は単価が5万円高い

国籍条件件数下位25%中央値上位25%
外国籍可10,34665万円75万円90万円
外国籍不可89,22560万円70万円80万円

中央値で5万円、上位25%では10万円(90万円 対 80万円)の差があります。「外国籍可の案件は条件が緩い代わりに安い」という通説は、 このデータでは支持されません。むしろ逆です。

理由はこの集計では特定できません。単価の高い案件では 「人が集まらないので条件を広げた」可能性も、 「もともと国籍を問わない領域(英語を使う開発、外資系)だった」可能性もあります。 後者であれば、単価差は国籍条件ではなく案件の性質によるものです。

フルリモートほど「可」が多い

勤務形態件数「可」の割合
フルリモート14,30612%
ハイブリッド9,30210.6%
リモート可46,2678.4%
常駐48,0987.8%

常駐 7.8% に対してフルリモート 12.0%。1.5倍です。 現場に人を置く案件ほど国籍を絞っている、という関係が出ています。

外国籍の要員を提案するなら、まずフルリモート案件から当たるのが母数の面で合理的です。 フルリモート案件の量そのものの推移はSES案件のリモート比率にまとめています。

地域差

地域件数「可」の割合
関東116,54410.2%
関西13,5547.6%
全国3,08510.8%
中部1,3306.8%
九州77946%
東北6172.4%
北海道(参考値)3154.8%

案件量の多い関東 10.2%、関西 7.6%。 九州が 46.0% と突出していますが n=779 で、特定の発注元が偏って流れている可能性が高いので、 九州全体の傾向として読むのは避けてください。 東北 2.4%(n=617)も同様に、件数の少なさを前提に見る必要があります。

商流条件別では、「貴社まで」9.5%、「1社先まで」9.1%、「その他」16.7%。商流の深さと国籍条件のあいだに、はっきりした関係はありません(廃止済みの区分「直」は集計から除外しています)。

商流条件件数「可」の割合
貴社まで111,6779.5%
1社先まで1,4229.1%
その他1,74316.7%

供給側は3.7%

要員側も見ておきます。要員 174,776 件のうち国籍が判定できたのは 158,616 件(90.8%)で、外国籍と判定されたのは 5,945 件、3.7% でした。

要員件数希望単価中央値経験年数中央値
外国籍5,65770万円9年
日本籍148,48470万円8年

希望単価は同じ70万円、経験年数はむしろ1年長い。 要員としての条件面に差はありません。 差が出るのは案件側の受け入れ条件のほうだけ、というのがこのデータの示す形です。

要員側の国籍判定は、本文に「○○籍」「N1」「在留資格」といった明示的な手がかりがある場合のみ 行っています。帰化済みや、日本語能力の記載だけがある場合は判定していません。 そのため 3.7% は下限の数字で、実際の外国籍比率はこれより高いはずです。

この数字の使い方

1. 「記載なし」の3割に確認を出す価値がある

明記された案件では「可」は10.1%しかありませんが、 記載なしが58,350件あります。ここを確認せずに諦めると、母数の3割を最初から捨てることになります。

2. フルリモートから当たる

フルリモート 12.0% 対 常駐 7.8%。 外国籍の要員を持っているなら、案件の絞り込み条件に勤務形態を入れるだけで 当たりの確率が1.5倍になります。

3. 単価を下げて出す必要はない

「可」の案件の単価中央値は75万円で、不可より5万円高い。 要員側の希望単価も日本籍と同じ70万円です。国籍を理由に単価を下げて提案する根拠は、このデータには見当たりません単価交渉で使える材料)。

よくある質問

外国籍の要員は提案しにくいということですか?

母数としては厳しい数字です。国籍条件が明記された案件13.7万件のうち「可」は10.1%(13,868件)。ただし記載なしが29.9%(58,350件)あり、この層は確認すれば通る可能性があります。明記された案件だけを母数にすると実態より悲観的になります。

なぜ外国籍可の案件のほうが単価が高いのですか?

このデータからは理由は分かりません。分かるのは、可の案件の単価中央値が75万円、不可が70万円ということだけです。フルリモート案件で「可」の比率が高い(12.0%)ことから、勤務形態や技術領域の違いが効いている可能性はありますが、この集計では切り分けていません。

国籍条件を書いていない案件はどう扱えばいいですか?

確認が必要です。29.9%が未記載で、これは契約形態(未記載42.6%)や商流(未記載24.6%)と同じく、案件メールでよく欠ける項目のひとつです。提案してから弾かれると時間が無駄になるので、外国籍の要員を当てる前に1通で確認したほうが速くなります。

国籍条件で案件を絞り込む

Qasica は案件メールから国籍条件・勤務形態・商流を自動で抜き出して構造化します。 「外国籍可、またはその条件が書かれていない案件だけ」といった絞り込みができるので、 条件が未記載の3割を取りこぼさずに当たれます。

関連記事:SES案件のリモート比率 / 案件メールの読み方 / 面談回数の実態

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