単価・市場動向

案件はいつ始まるか|19.5万件のリードタイムと、即日案件の正体

#案件#実データ#リードタイム
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執筆
Qasica 編集部

「参画できるのは来月からです」と要員側から言われたとき、それが持っている案件の何割に間に合うのかは、感覚では答えられません。 案件19.5万件の開始時期を集計して、届いた案件がいつ始まるのかを数字にしました。

結論|78.2%は今月か来月に始まる

  • 即日 20.1%、当月 15.0%、翌月 43.1%。合わせて 78.2%
  • 3か月以上先の案件は、開始月が書かれたもののうち 1.5% しかない
  • 即日・当月の単価中央値は 75万円、翌月は70万円、翌々月は68万円
  • 開始月がすでに過ぎている案件が 5.8% ある

先の話をしている案件はほとんど存在しません。「来月から動ける要員」を持っているかどうかで、提案できる母数が8割変わる、 というのがこのデータの要点です。

開始時期はどう書かれているか

集計の前に、書かれ方を確認します。開始時期は自由記述で届くため、 機械的に日付として扱えるものとそうでないものがあります。

形式件数割合
YYYY-MM 形式(2026-10 など)145,81074.7%
即日・即・なる早39,16620.1%
未定・長期・相談・日付のみ など5,7232.9%
記載なし4,4992.3%

集計日 2026年9月22日/案件 195,223 件(status が削除済みのものを除く)。日付としてパースできたのは 74.7%(YYYY-MM 形式)で、 「即日」系の 20.1% を足すと 94.8% までは機械的に扱えます。 残り 5.2% は「未定」「長期」「相談」「毎月(1日、15日)」のような 日付に落とせない記述と、記載そのものが無いものです。 以降の「リードタイム」は YYYY-MM の 145,810 件だけを対象にしています。この数字で分からないこと:パースできなかった 5.2% が どちらに寄っているか(「未定」が実際には先の案件なら、遠い側を過小評価しています)。

リードタイムの分布

メールを受け取った月と、書かれている開始月の差を取ります。

開始件数割合分布
受信月より前8,4525.8%
当月29,33520.1%
翌月84,07757.7%
翌々月21,80915%
3か月先以降2,1371.5%

翌月開始が 57.7% で圧倒的です。これは月単位で契約が切り替わる SES の商習慣そのもので、「今月中に決めて、来月から入ってもらう」が標準形だと分かります。

全案件19.5万件で見ると、即日 20.1%・当月 15.0%・翌月 43.1%・翌々月 11.2%。翌々月より先の案件は合わせても 12% 程度しかありません。 要員の空き予定を3か月先まで埋めようとしても、当てる案件がそもそも流通していない、 ということになります。

急ぐ案件ほど単価が高い

開始件数単価中央値
2か月前の開始月1,35985万円
1か月前の開始月3,18280万円
即日28,24675万円
当月21,62975万円
翌月58,59470万円
翌々月14,46868万円
3か月先57270万円

上限単価(max_unit_price)が 20〜200万円の範囲にあるものだけで中央値を取りました。 単価が書かれている案件は全体の 77.9% です。この数字で分からないこと:同じ案件が開始時期を変えて再送された場合、 両方が別々に数えられます。また「急ぐから単価を上げた」のか 「もともと単価の高い案件は急に出る」のかは、この集計では区別できません。

即日・当月が 75万円、翌月が 70万円、翌々月が 68万円。開始が近いほど単価が高く、遠いほど安いという並びになっています。 差は5〜7万円で、月額に直すとひとり当たり年間60〜84万円です。

読み方としては、「すぐ出せる要員」は単価交渉の材料になるということです。 即日案件の母数は 3.9万件あるので、来週から動ける要員を持っているなら、 翌月案件の相場で提案する必要はありません (単価交渉で使える材料に、 レンジの出し方をまとめています)。

開始月を過ぎた案件が5.8%ある

開始月が受信月より前になっている案件が 8,452 件(5.8%)ありました。 しかもこの層は単価が高く、1か月前開始で 80万円、2か月前開始で 85万円です。

考えられるのは2つです。ひとつは埋まらずに回り続けている案件。 開始予定を過ぎてもまだ人が決まらず、単価を上げて再送されている、という読み方です。 もうひとつは単純な書き間違いや、古い案内の転送です。

どちらが多いかは、この集計では判定できません。 ただし「2か月前開始・単価85万円」という組み合わせが 1,359 件あることは事実で、相場より高い案件を探すなら、開始月が過ぎているものを見る価値はあります。 なお、書き間違いの可能性がある以上、提案前に開始時期の確認は必要です。

地域で即日率は変わるか

地域件数即日の比率
関東155,12320.2%
関西24,88319.5%
全国4,55729.4%
中部2,52326.8%
九州1,21916.1%
東北66920%
中国(参考値)50255.4%
北海道(参考値)42747.5%

関東 20.2%、関西 19.5% とほぼ同じで、案件量の多い地域では即日率は2割で安定しています。

目を引くのは中国 55.4%、北海道 47.5% ですが、いずれも n が 500 前後です。 地方は案件数そのものが少なく、流れてくるのは「人が抜けて困っている」急ぎの案件に偏る、 という解釈はできますが、この件数では断定できないので参考値として扱ってください (地域ごとの案件量と要員量の非対称については地域別のSES需給にまとめています)。

この数字の使い方

1. 要員の空き予定は「2か月先まで」で足りる

流通している案件の88%が翌々月までに始まります。 3か月先の空き予定を精緻に管理しても、当てる案件が存在しません。管理すべきは「今月末で切れる人」と「来月末で切れる人」です。

2. 月末の3日間が勝負になる

翌月開始が 57.7% を占める以上、決裁は月末に集中します。 案件メールの43.8%は9〜11時に届くので (SES営業の1日)、 月末週の午前は他の予定を入れないほうが構造に合っています。

3. 「即日可」は書く価値がある

即日案件は3.9万件、単価中央値75万円。 要員の提案メールに参画可能日を書いていない場合、 この層に当たりに行けません (要員提案メールの型)。

よくある質問

「即日」と書かれた案件は本当にすぐ始まりますか?

このデータでは分かりません。分かるのは「即日と書かれた案件が全体の20.1%あり、その単価中央値は75万円で、翌月開始(70万円)より5万円高い」ということだけです。実際の稼働開始日はQasicaには入ってこないため、即日と書かれた案件が何日後に埋まったかは追えていません。

3か月以上先の案件はなぜこんなに少ないのですか?

YYYY-MM で書かれた案件のうち3か月先以降は1.5%(2,137件)しかありません。SES案件は「今いる要員の契約が切れる」「増員が決まった」といった直近の事情で出るため、長期の計画として先に流れてくることがほとんどない、という構造だと読めます。ただし、先の案件が『未定』『長期』と書かれて YYYY-MM にならず、2.9%のその他に混ざっている可能性は否定できません。

この集計に再送は含まれますか?

含まれます。届いた案件の61.3%は同一送信者からの再送なので、ここでの件数はメールの通数であり、実案件の数ではありません。ただしリードタイムの比率(78.2%が当月か翌月)は、再送されやすい案件に偏りがなければ大きくは動きません。再送そのものの実態は別記事にまとめています。

開始時期で案件を絞り込む

Qasica は届いた案件メールから開始時期・単価・商流を自動で抜き出して構造化します。 「来月から動ける要員」に対して、翌月開始の案件だけを並べる、といった絞り込みが メールを読み直さずにできます。

関連記事:案件の鮮度 / 単価交渉で使える材料 / 地域別のSES需給

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